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山の幸 東條康江さん・・・青松園在住 「青松」651号所収 |
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■ 山の梅枝打ちなしてきし夫は今年も数多く実りくれよと
■ この梅の苗木世話してくれし人今は世に無き我ら見守もる
■ この枝に花咲き実るは六月の頃かと待つのはたのしき日々なり
■ 山畑の冬の野菜の良くできて摂理の聖手聖名ほむべし
■ この野菜友に送れば喜びて感謝の電話長くかかれり |
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宝塚歌劇の席 松浦篤男さん・・・青松園在住 「青松」651号所収 |
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■ 不治の癩耐へ生かされて七十年宝塚歌劇の席に今日在り
■ 宝塚の華麗なる歌劇今日は観る療園のわれら招く人ゐて
■ 水族館をめぐる車椅子の人つづくわれに似し運命の人世に多し
■ 車椅子の一団寡黙に見巡れり児童賑はふ水族館を
■ 水族館の児童賑はふに力湧く老のみの園に常籠りゐて |
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政石 蒙 遺歌集(5)・・・青松園 「青松」651号所収 |
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■ 小気味よきほどの暑さよ腹這ひて畳に汗を吸わせてゐたり
■ 丘にきて納骨堂の石縁に背冷ゆるまで仰臥してゐる
■ 心眼ひらけと君に祈りつつ一眼なりとも見えよと願ふ
■ 君の眼の濁りの今朝は薄れをりひそかに顔を寄せつつ見たり
■ 苦しみを頒ちて受くるすべもなく外出の君に靴を整ふ |
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