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ひな祭り 東條康江さん・・・青松園在住 「青松」652号所収 |
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■ 雛壇のなき我が部屋に桃の花生けて楽しむ雛の節句を
■ 食卓の上に生けたる桃の花ホツホツ咲きて部屋は明るし
■ 食卓に着きし夫は内裏様寄り添う我は優しき女雛
■ 食卓に夫手作りの握り寿司色とりどりのあざやかなりき
■ 桃の花満開なりし食卓をかこむ二人はひなをめでおり |
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不治から絶滅への癩 松浦篤男さん・・・青松園在住 「青松」652号所収 |
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■ 城山の森の変らず不治の癩告げられさ迷ひたりし戦時に
■ 城山見て思ひはかへる血筋みな不幸にする癩告げられし日に
■ 癩の身などままよと空襲警報に逃げざりし道六十四年ぶり
■ 癩告げられ彷徨せし戦時舗装剥げゐし徳島の街ビル建ち並ぶ
■ 癩滅び五十年経てやうやくに差別なき世かもどかしかりき |
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政石 蒙 遺歌集(6)・・・青松園 「青松」652号所収 |
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■ たまらなく淋しくなりて訪ふ我をみとめて彼も起きあがりをり
■ 両義足つけ了へて彼は残したる菓子を丁寧に懐に蔵ふ
■ 元旦は早目に起きて両足の傷に包帯を新しくする
■ 三年余り癒らぬ傷に包帯を巻きつつ今の思ひは告げず
■ もぞもぞと起き出でて孤り包帯を巻きかへるときの夜の重圧 |
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