|
|
|
|
|
山畑の葱 東條康江さん・・・青松園在住 「青松」661号所収 |
|
■ 山畑に繁れる雑草取り除き葱を植えんと夫は耕す
■ 雑草の除去にひと日を働きて手の指にまめをつくりおり
■ 耕やしし山の畑に葱苗を植えくるる夫残暑の中を
■ 畑仕事に手の荒れたる夫軟膏をナースは優しく塗りくれにけり
■ 山畑で獲れし大根葱を入れ祝う雑煮は我が家の味 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
松浦篤男さん 遺歌集(8)・・・青松園 「青松」661号所収 |
|
■ わがをらぬ四年に徒らに伸びし梨まばらに白き花をつけたり
■ 庭を藪ふ松の木陰に汗拭きつつ草屋根崩えるわが家見てをり
■ 赤きつつじ雑草のなかに散りてゐる継ぐ者のなきわが家の庭
■ 向ひ嶺に夕日黄の色に照りをりてふるさとの家冷えまさりくる
■ 八人の炊ぎに母の忙しかりし広き厨も今は使はず |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
政石 蒙さん 遺歌集(15)・・・青松園 「青松」661号所収 |
|
■ 一段と高きところに健やかな人ら並びて今日クリスマス
■ つぶら瞳をこの児らは未だ失はず健やかな人に恐ず恐ずとゐて
■ よろめきし我を支へしひとの手のあたたかなりき今も思へり
■ 傘よせてくれゐる人に気兼して急げば松葉杖の乱れつ
■ 軒場より庭木にかかるくもの糸陽の翳るとき見失ひたり |
|
|
|
|
|
|
Copyright © 2006 各作家さま, all rights reserved.