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無題 東條康江さん・・・青松園在住 「青松」667号所収 |
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■ 祭日に耳痛みて当直医に我はうったえ治療を受くる
■ 当直の医師より賜うクラビットのみて外耳炎おさまりにけり
■ 山畑に夫は出かけて冬野菜蒔付けてくると暑さの中を
■ 手や足をパラフィン浴に暖めて今日の日課を励む我なり
■ 握力の弱るを防ぐゴム握り死ぬまで我のつとめとなさん |
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松浦篤男さん 遺歌集(14)・・・青松園 「青松」667号所収 |
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■ 代金を先に払ひてものを購ふ指の無き手をかくすわが知恵
■ 枯れ初めし短き草を喰める牛むきむきにゐる阿蘇の高原
■ 地底より噴き出づる煙近々と阿蘇のいただきに今われは立つ
■ 切り立てる火口壁に影うごきつつ真白き阿蘇の噴煙のぼる
■ 吹きつくる雨に車窓のくもりつつ火山灰大地の甘藷畑つづく |
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政石 蒙さん 遺歌集(21)・・・青松園 「青松」667号所収 |
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■ 食卓に目刺をならべ配り了へ少年は指の汚を舐めつ
■ ストリップ・ショーを観にゆきたがる童らと将棋などして時間をつぶす
■ 砥ぎあげし刃物を朝の日にかざし少年は清き眉を動かす
■ 子供らに隠れてきたゐの酒の座のさざめく中に酔ふこともなし
■ どの子もおとなしく寝てゐる夜の部屋昼に蠑(さざえ)を五十も撮りきて |
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