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足の訓練 東條康江さん・・・青松園在住 「青松」668号所収 |
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■ 手術うけ足にふたんのかからぬよう夫はベットを求めくれたり
■ 半月板入れ替え膝の良くなりてひたすら歩く訓練をなす
■ 先生とうでくみ歩くリハビリ棟今日の日課をせいはする我
■ 黄の色が珍しいとて生れ日を祝いて賜うカトレヤの花
■ 賜りしカトレヤの鉢おおきくて部屋にはおけずチャペルに捧ぐ |
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松浦篤男さん 遺歌集(15)・・・青松園 「青松」668号所収 |
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■ 甘藷畑つづく高処の一区画蕎麦の花白く雨に濡れをり
■ 杉林も棚田も故郷に似てしたし霧島のふもとの村を行きつつ
■ 霧島の嶺近づけば山をこめし霧明るみて硫黄匂へり
■ 異人邸の庭に立ち見れば新造船泊つる長崎の入江は深し
■ 入りて来し原爆資料館に眼にとまる十一時指ししままねぢれし時計 |
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政石 蒙さん 遺歌集(22)・・・青松園 「青松」668号所収 |
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■ 香りよきコーヒーをのみ春宵の街にまぎれてゆきたき心
■ ブランコのほかになければ檻の猿終日のりて怠屈げになり
■ 透明のガラスめぐれる屋のなか春は造られむるる春の香
■ 岸肌に滲める水を樋にあつめ盗むがごとく掌にうけてのむ
■ 裾をからげたらひのものを踏み洗ふ女忍従に馴れし顔して |
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