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山の幸 東條康江さん・・・青松園在住 「青松」669号所収 |
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■ 山畑に栗の苗木を植付けに行きし夫は八十二才
■ 植てより三年をへねばならぬとう栗の実るを待つしあわせ
■ 山畑の大カブ子カブ白菜を作りて夫都の友へ
■ 療園の我らを父母としたいくれ幼き子供つれて逢に来
■ 嬰児をつれ問いくれし御夫婦は島に宿て交りくるる |
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松浦篤男さん 遺歌集(16)・・・青松園 「青松」669号所収 |
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■ 棚田の稲刈る弟が鎌持ちしまま一年ぶりのわれを迎ふる
■ 製材所の手が抜けぬと言ふ弟は祭の休みに稲を刈りをり
■ 柿の木の下に座りて柿を食ふ故郷に帰りし心幼なく
■ 五年前出でし日のまま金網の破れし鶏舎も牛小屋もあり
■ 日焼けせし父の担ぎて畑に行きし鍬も熊手も錆びて掛かれり |
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政石 蒙さん 遺歌集(23)・・・青松園 「青松」669号所収 |
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■ 巾広の足を気にせし姪なりしハイヒール履きて面会に来つ
■ ことづけて姉のよこせる強飯の少し臭きをがまんして食ふ
■ 慰めるつもりが慰められしよと舌を出したり帰るとき姪は
■ 姪の乗る船遠ざかる春の海常にはあらぬ表情となる
■ あらたまり別れを言ひて嫁ぎゆく姪の未来にひそかに恃む |
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