明かり
私の中のそこは
もともと暗かった
しばらく
あなたという明かりがともって
まぶしかったというだけ
なのに
どうしてこの暗さが堪えられないのでしょう
以前はなんでもなかった
そう
そう思うのに
ほんとにそう思うのに
この暗さは
血の気のひいた胸の奥へ
うっすらとよどんで来て
私を立ち上がることさえ
できなくするのです
この詩群は、ある日、ある時のすてきな方との出会いをきっかけにとして、遠い日の恋を想い起こしながら書きましたもので、先に出しました「愛の詩集」につぐものです。 人間としてあらしめられている、つかの間の時間に、人はさまざまな経験をしながら成長してゆきますが、なかでも恋愛は、たいていの人が一度は経験するもので、この詩集は、老いた人は、昔日の思い出として、若い方は、正にその渦中にあるものとして、読んでいただけますれば、作者の私としましては、望外のよろこびでございます
全41篇で、1995年に出版された第13詩集です。 電子書籍としてでじたる書房より入手できます。 ここでも随時ご紹介していきますので、お楽しみに。
1995年2月20日、編集工房ノア発行。絶版。装画・西脇洋子 2008年3月12日、でじたる書房より電子書籍として発行。