見放された
どんな優しいX先生だって
やきもちやくわよ
わたしぴったりになってしまうとと
たしなめてくれるあなた
そのあたりをわきまえてするのが
おとななのに
私は
成長のたりない子供の部分を
ひきずっていて
お付き合いする人を
やきもきさせる
「おまえはいけない子だよ」と
子供を叱る母親のように
そんな自分を
自分で叱り
ひととき
神に見放された人間のように
不幸だった
全40篇で、2008年に電子書籍として出版された第20詩集です。 塔さんの希望により、詩集名を「人物」としてあります。 塔さんをとりまく人々(もちろんすべてではありませんが)や、病床にあってなお心に湧き出る想いが表現されています。 この詩集に収められている詩は、塔さんがベッドの上で暗唱したものを、看護士さん達が、一篇一篇ノートに書き留めてくださったものです。 現在、電子書籍としてでじたる書房より入手可能です。 ここでも随時ご紹介していきますので、お楽しみに。
2008年12月12日、でじたる書房発行。