詩と詩集の紹介

　　　　　　　　やせた心

 

 

　　　　　　汲んでもつきない泉のように

　　　　　　無限に広がる大地のように

　　　　　　大きくて豊かなあなた

　　　　　　私は

　　　　　　あなたの言葉が欲しいばかりに

　　　　　　だだをこねる子供のように

　　　　　　言葉をねだるが

　　　　　　　　あなたはそんなことに

　　　　　　　　気付いているのかいないのか

　　　　　　　　いっこうに便りはこない

　　　　　　そして私は

　　　　　　もう何年もそうであるような

　　　　　　やせた心をふるいたたせて

　　　　　　あるとき

　　　　　　　　あなたのいる北東の方角に

　　　　　　　　じいっと

　　　　　　　　目をこらして見るのです

この詩群は、ある日、ある時のすてきな方との出会いをきっかけにとして、遠い日の恋を想い起こしながら書きましたもので、先に出しました「愛の詩集」につぐものです。
人間としてあらしめられている、つかの間の時間に、人はさまざまな経験をしながら成長してゆきますが、なかでも恋愛は、たいていの人が一度は経験するもので、この詩集は、老いた人は、昔日の思い出として、若い方は、正にその渦中にあるものとして、読んでいただけますれば、作者の私としましては、望外のよろこびでございます

全４１篇で、１９９５年に出版された第１３詩集です。
電子書籍としてでじたる書房より入手できます。
ここでも随時ご紹介していきますので、お楽しみに。