ノートの中で「私だって早く詩集にして欲しいわ」と言ってせまってくる詩があって、今回はそんな詩をとり上げてみました。
そのこととは関係ありませんが、人間みな健康なときは、自分が生きているのだということさえ忘れて、それがあたりまえだと思っています。しかし、健康がそこなわれると、とたんに凍るような孤独にみまわれ、すぐそばに死があることをまざまざと思い出さされるのです。
そんな世に感じたこと、思ったことを書きつづりながら、やっぱり聞いているのです。
「私の明日が私を呼ぶかと」と詩いましたように、このあわただしい世に在って、みんなどこかへ向かって走っている。そして世の傍らにいて、しらじらと立っている私を、もうひとりの私が、いたく覚めてみているのです。