人は、あまりにもちまちました暮らしを、愚にもつかない悩みをもって生きていて、自分の足場の危うさを忘れています。
しかし、日々の喜怒哀楽を敏感に感じとるからこそ、その生活は変化があって、生き得るのだとも思います。
でも私はあえて、自分の足場をしっかりとかためる強靭な意志をもつことによって、この一心のゆるぎないとき、はじめて人としてのゆったりとした暮らしをもち得るものだと思います。
私はあまりにも敏感でありすぎた、また幼すぎたかつての日を思い、年を重ねることによって重くなってしまった自らの甲羅をさすってやりたいと、こんなにも思っています。
自分を愛しく思えるとき、ほんとうに他人も愛しく思えるのではないでしょうか。こんな思いの中で、この詩群を一冊として編集しました。